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エタニティ

エタニティリングと呼ばれる指輪があります。
おもにブライダルリングに見られるものですが、
指輪の表面にダイヤモンドがぐるりと一周留められているものです。
エタニティ_f0179073_15111651.jpg
                                   画像はWebで拾ってきたものです

始めも終わりもない、その留め方が永遠を思わせるということから
その名がついたのだと思います。

一般的に店頭に並んでいる既成品は、一度金属で原型を作り、
それをもとにゴム型などを製作して複製しているものがほとんどです。
各サイズを製作しておいて、お客様の指に合うものを探すのが普通ですね。
手のひら側にはダイヤを留めずにサイズ直しに対応しているものもあるようです。

しかし、オーダーメイドでこれを作るには、指のサイズから指輪の外周を計算して
そこに隙間なく留められるサイズのダイヤモンドを選択、それを留める「座」の部分を
一周作りこまなければならないので制作はなかなかに大変な作業になります。
また、その形状から完成後のサイズ直しができないので
サイズ計測にはかなりの神経を使います。

その分、出来上がりのフィット感は他にないものになりますね。
(普段使いという観点からはあまりおすすめしないのですが 笑)

でも、ダイヤモンドを並べたものだけがエタニティリングというわけではないのでは?
エタニティ_f0179073_1530751.jpg
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このリングは奥様がお持ちだった立て爪のリングをリフォームしたものです。
かなり大ぶりなダイヤモンドでしたから立て爪の部分の高さも相当あり
おそらく特別なお出かけの時ぐらいにしか使えなかったと思います。

今回、爪が引っ掛からないようにというご希望と、お好みのデザインの画像をいただいて
基本的な形はすぐに決まりました。

そこにご主人のご希望で「四つ葉」のデザインを入れることになりました。
思いついたのが「エタニティ」。 つまり四つ葉をぐるりと一周表面に刻み込むことです。
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平面でしたらレーザー加工で彫ることもできるのですが、リングの表面がかまぼこ型に
出っ張っているので難しそうです。

結局刻印を特注してひとつずつ手打ちすることに。
といってもきれいに割りつけることも含めて曲面への刻印は相当難しい。 
かなり苦労して一周8個の四つ葉を刻印しました。

生えている茎の向きは4方向すべての向きで2セット。
ぐるりと取り巻いた、様々な向きの四つ葉が「エタニティ」とか「ユニバーサル」といった言葉を
連想させるリングになりましたね。

あ、ここをご覧のほとんどの方はもうおわかりでしょうが、ご主人は生粋のアルファロメオ好き。 
昔からアルファロメオのフェンダーに貼られてきた幸運のシンボル、そこからのモチーフです。
奥様への愛とアルファロメオへの情熱が宇宙に満ちて永遠に続きますように。





ウチの工房では四つ葉のモチーフの作品のオーダーが多いんですよね。
なんでかな? 笑)

  by studio_argento | 2012-09-15 15:44 | ジュエリー

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