T様
T様は私の車関係の友人からのご紹介で来店くださいました。
もうお付き合いさせていただいて何年になるでしょうか・・。
一般的にオーダー希望のお客様でもこんなものを作ってほしいと具体的におっしゃる方は
ほとんどいません。 いろいろとお話ししながらイメージを具現化していくのが普通です。
そのプロセスも含めて「デザインすること」であると考えて制作させていただいています。
またそのプロセスが出来上がったジュエリーに愛着を持つひとつの要素にもなると
思っています。
しかしT様はジュエリーにはひとかどならぬ想いがあり、自分の欲しいもののイメージを
しっかり持っている、そんな少し珍しいタイプのお客様でした。
ですからT様のオーダー場合は一般的な場合と逆に、
お客様の方から提案をいただいてそれに私が合わせていくというプロセスとなりました。
もちろんいくらジュエリーが好きといっても制作サイドの見方まではご存知ありません。
制作にあたり技術上のいろいろな問題をクリアしなければいけません。
特性を見極めた素材の選択や表現に適した技法も選ぶ必要があります。
場合によってはご希望の表現ができないこともあります。
そこをうまくクリアしていく方法も考えなくてはなりません。
ご予算との兼ね合いもあります。
当初はそのあたりのご説明が上手くできずにちょっとギクシャクしてしまいました。
また、制作費に関しても、比重の重い貴金属の出来上がりの地金の重さを推測するのが難しく、
さらに相場が変動するために一般的な見積書のような正確なものを出すのは困難で、
職務上そういった見積りに慣れておられるT様にはかなりストレスになったようです。
それでも「良いモノを作りたい」との想いはお互いに強いものでしたので
なんとか最初の1点を作ることができ、ありがたいことにそれは気に入っていただけました。
その後、年に1~2個のペースでオーダーをいただけるようになりました。 これは何番目のオーダーだったかな?
そしてこの春(本当は冬の間に出来上がるはずだったのですが)
お納めしたペンダントトップがこれです。
ピンクゴールドのフレームに様々な形のアメジストを埋め込み、
縁となる部分とチェーンの通るバチカン部分にはタンザナイトが留められています。
アメジストの周囲は黒い塗装仕上げ。 全体を引き締めています。
深い紫の花弁をもつビオラのような、ちょっとなまめかしいジュエリーとなりました。
私自身もとても気に入っています。
制作初期の段階から何度もメールのやり取りでデザインの向きや塗装の範囲などを細かく
打ち合わせをし、必要があれば隣町からご来店いただいて満足いくまで検討していただいて
制作しました。 制作途中のワックスモデル
このような打ち合わせを続けていると、お互いを分かり合える部分が出てきて
言いたいことやイメージが伝わりやすくなってくるように思います。
自分の作品づくりとは違った醍醐味ですね。
T様が提案されるデザインはいつもハードルが高いのですが、
私ひとりではなくお客様と共に越えていくと思えば立ち向かうエネルギーも倍増しますね。
実はもう次のプランはいただいています。
やっぱりこれもとてもハードルが高いんですよね、嬉しいことに。
もうお付き合いさせていただいて何年になるでしょうか・・。
一般的にオーダー希望のお客様でもこんなものを作ってほしいと具体的におっしゃる方は
ほとんどいません。 いろいろとお話ししながらイメージを具現化していくのが普通です。
そのプロセスも含めて「デザインすること」であると考えて制作させていただいています。
またそのプロセスが出来上がったジュエリーに愛着を持つひとつの要素にもなると
思っています。
しかしT様はジュエリーにはひとかどならぬ想いがあり、自分の欲しいもののイメージを
しっかり持っている、そんな少し珍しいタイプのお客様でした。
ですからT様のオーダー場合は一般的な場合と逆に、
お客様の方から提案をいただいてそれに私が合わせていくというプロセスとなりました。
もちろんいくらジュエリーが好きといっても制作サイドの見方まではご存知ありません。
制作にあたり技術上のいろいろな問題をクリアしなければいけません。
特性を見極めた素材の選択や表現に適した技法も選ぶ必要があります。
場合によってはご希望の表現ができないこともあります。
そこをうまくクリアしていく方法も考えなくてはなりません。
ご予算との兼ね合いもあります。
当初はそのあたりのご説明が上手くできずにちょっとギクシャクしてしまいました。
また、制作費に関しても、比重の重い貴金属の出来上がりの地金の重さを推測するのが難しく、
さらに相場が変動するために一般的な見積書のような正確なものを出すのは困難で、
職務上そういった見積りに慣れておられるT様にはかなりストレスになったようです。
それでも「良いモノを作りたい」との想いはお互いに強いものでしたので
なんとか最初の1点を作ることができ、ありがたいことにそれは気に入っていただけました。
その後、年に1~2個のペースでオーダーをいただけるようになりました。
そしてこの春(本当は冬の間に出来上がるはずだったのですが)
お納めしたペンダントトップがこれです。
縁となる部分とチェーンの通るバチカン部分にはタンザナイトが留められています。
深い紫の花弁をもつビオラのような、ちょっとなまめかしいジュエリーとなりました。
私自身もとても気に入っています。
制作初期の段階から何度もメールのやり取りでデザインの向きや塗装の範囲などを細かく
打ち合わせをし、必要があれば隣町からご来店いただいて満足いくまで検討していただいて
制作しました。
このような打ち合わせを続けていると、お互いを分かり合える部分が出てきて
言いたいことやイメージが伝わりやすくなってくるように思います。
自分の作品づくりとは違った醍醐味ですね。
T様が提案されるデザインはいつもハードルが高いのですが、
私ひとりではなくお客様と共に越えていくと思えば立ち向かうエネルギーも倍増しますね。
実はもう次のプランはいただいています。
やっぱりこれもとてもハードルが高いんですよね、嬉しいことに。
by studio_argento | 2012-07-31 18:25 | ジュエリー