裏表のない
リボン状の紙の片方の端を180度ひねって(裏返して)反対の端と張り合わせて作った輪です。
このとき、中央に長手方向に線をひいていくと、リボンの表面すべてを通って元の位置に帰ってきます。 つまりくっつける前にはあった表と裏が無くなっているのです。
ドイツの数学者メビウスが発見したこの図形は工業や化学、デザインなど幅広い分野で利用されています。
今回ご紹介する結婚指輪は、そのメビウスの輪のイメージを取り込んだものです。
ただ、普通断面が四角形(あるいはそのバリエーション)であるリングにこの性質を取り込むには
ちょっと考えないといけません。
リングには4つの面があるので、180度ひねると表裏と側面の2面ができてしまいます。
これでは一本の線ですべての面をつなぐことができませんね。
ですからひねりは90度か270度でないといけないことになります。
デザイン的には90度が自然ですからそのデザインをリングの正面になる部分に入れました。
新婦のリングはひねりの他に全体に柔らかいカーブを持たせて女性らしさを表現しています。
ケースに収めて完成。
これから始まる2人の人生にお互い表裏なく暮らしていけるよう誓いを込めたともいえる
デザインのリングが出来上がりました。
by studio_argento | 2009-09-15 14:29 | ブライダル