ツール

当店は商業地域でもない、表通りからも少し入った住宅地にあり
同じ市内の方でもわかりにくい場所にあります。
それでもウェブで検索していただいたりして、ナビを頼りにご来店いただく方もいらして
スマートフォンやタブレット、カーナビなどのおかげでこんな店でもたどり着ける(笑)
便利な世の中になってありがたいものです。

先日初めてお越しいただいた若い男性のお客さまも検索に引っ掛かったとのことで
恋人にプレゼントするためにピアスを探しに来られました。

「あいにく当店はほとんどがオーダーメイドなので店頭在庫はルース(宝石の裸石)ぐらいしか
ございませんが、もし日にちに余裕があるようでしたらお創りできます。」

とご説明差し上げ、オーダーメイドの概要をお話ししました。
幸いなことに時間には余裕があり、またプレゼントするものとして1点ものというのはとても
魅力的だと言ってくださってオーダーしていただくことになりました。
デザインをご相談している当初は「なんだか雲をつかむような話だ」というような
お顔をしておられました。
おそらくジュエリーをオーダーされるのは初めてだったと思いますので仕方ありませんね。
せっかくですからお二人を象徴するようなモチーフをカタチにされたらいかがですかとご提案して
いろいろと訊いているうちにあるお話が出てきました。
それをもとに制作したのがこちら。



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大切なデートの想い出があるというイベントにちなんで「下駄」のピアスです。
ご希望いただいたブルートパーズを使って。
女性用の下駄の形に合わせてオーバルカット(楕円形)の石を選択して
デザインの連続性を出しています。
ぶら下がりタイプですので各部にリンクを設けてよく動くようにしてあります。
涼しげなブルートパーズの輝きが耳元できらめきますね。

下駄の部分は各パーツを手作りしてハナオをロウ付け。
表面にはそれぞれのイニシャルを刻印してあります
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変色を防止するためにロジウムメッキ仕上げ。
温泉にも安心して行けます 笑)

遠距離恋愛というお二人は、プレゼント当日に降った雪のせいでその日は会えず
もしかしたらまだご本人の手には渡っていないかもしれません。
聞いた話では写真はご覧いただいたようですし
ご本人の許可をいただきましたのでブログにはアップします。 
こちらをご覧いただいて想いをはせていただければと思います。
気持ちのこもったプレゼント、よかったですね。


ところで今回、デザインの打ち合わせ中にお相手のイメージを聞いたところ
おもむろにタブレット端末を取りだされて中に入っていた写真を見せてくださいました。
いつも工房のPCで用を済ませている私には新鮮でしたが、おかげさまで
ご本人のイメージを感じながら制作を進めることができて楽しかったですね。
(とてもかわいらしい女性でしたのでよけいに。 笑)
これも新しいツールのおかげということでしょうか。
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  # by studio_argento | 2014-02-20 14:14 | シルバーアクセサリー | Comments(2)

リスペクト

グランサンク(Les Grand Cinq)

これはパリのヴァンドーム広場周辺にある宝飾店の老舗5店をさす呼び名です。
メレリオ・ディ・メレー                                        
ショーメ                                                    
モーブッサン                                              
ブシュロン                                                 
ヴァン クリーフ&アーペルがその5店。

もっとも今ではそのうち4社は創業者一族が経営から離れてしまっているので
そう呼ばれることもなくなってきているようです。
少し寂しい話ですね。
(ちなみに私も尊敬するブランド、カルティエは以前この組合にいたそうですが、
独立独歩の気風があるらしく、途中で辞したそうです。)
 



さて話は変わって。
昨年オーダーいただいて制作したネックレスをご紹介しましょう。

オーダーいただいたT様は以前もご紹介した、かなりこだわりのあるお客様。
日頃から雑誌やウェブにアンテナを張り巡らせて
自分の好きなジュエリーのデザインを脳内ストックしておられます。

そんなT様が好みのデザインとしてピックアップされるものの多くが
グランサンクの中で一番若い(といっても100年以上ですが)ブランドのもの。


今回はその中でも普通店頭ではなかなか見ることができない
いわゆる「ハイジュエリー」のデザインをご希望としてお持ちになりました。

もちろんそのままコピーするわけにもいきませんし、技術的にも私には無理でしょう。
何せ世界トップクラスのジュエラーの工房の精鋭が何カ月もかけてつくるものですからね。
またご予算の制約もあります。

ご希望を訊きながら私なりにデザインをアレンジ、素材もご希望のゴールドに変更。
シルバーでデザイン検討用のスタディモデルも作り、
出来上がりのイメージを確認していただきながら作業を進めました。

持ち込みのメレダイヤを使ったり表面加工に工夫をしたりして
私なりにオリジナルへのリスペクトを表わしたものを創らせていただきました。







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オリジナルは当然プラチナ製。花のモチーフや首に廻る部分などすべてのパーツにダイヤモンドが留められています。 
価格も「ふえわわ」(謎笑)くらいとのこと。



苦労のかいがあって「ほぼ」満足していただけました。
一点気になると言われた部分はしばらく使ってみていただいて
「どうしても」ということであれば手直ししましょうということになりましたが
その後「気にならなくなった」とのご連絡。 
安心しました。

T様はさっそく職場にもつけて行かれたそうです。
職場の方は驚かれたかもしれませんね。

無事に納品も終えお話をしていると、おもむろに1枚の切り抜きを出されたT様。
そこにはまたしてもハイジュエリーの写真。
次の作品のデザインベースはそれになりそうです。
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  # by studio_argento | 2014-01-18 14:05 | ジュエリー | Comments(1)

午年

明けましておめでとうございます。
相変わらずのスローなブログですが今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今年は午年。 
昨年末にまさに今年にちなんだようなジュエリーの制作をさせていただきました。


I様はクルマ好きということで以前から親しくしていただいていたのですが、
昨秋、奥様と一緒にご来店いただきリングのオーダーメイドのご相談をいただきました。

聞けば奥様は20年以上も欲しいデザインのリングがあったそうで、
今まで自分のイメージに合うそれに出会えたことがなかったとのこと。
そこで結婚25周年の年に記念の意味もこめて当店にオーダーしてくださいました。

話の流れからもうおわかりだと思いますが、ご希望は「馬」のリング。
奥様のイメージを探るべく何度も打ち合わせをしたり、I様がパソコンで
イメージ写真を制作してくださったりして、それをもとにデザインを練っていきました。
クレイでのモデル製作やワックス原型の作り直し、手直し等を経て
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出来上がったのが




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指に対して少し斜めに向いた顔、たてがみの量感、左頬にかかった尾とその毛並み、優しい表情、耳の向きなど奥様のこだわりをひとつひとつカタチにしました。左の人差し指に付けたときに馬の鼻筋を優しくなでてあげられるような、そんな雰囲気です。
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高さを抑えるために頬骨より下は指に埋まってる感じですね。 
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馬に詳しい方ならお分かりだと思いますが、実はこの耳の向きは怒っているときや
全力疾走している時のもの。(全力疾走時はさらに鼻の穴が大きく開いています。)
普段は耳が立っているものなのですが、かなり高さのあるリングなので奥様のご希望で
この向きとしました。

リングの内側には25周年を表わすギリシャ数字とイニシャルを彫刻。
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指の腹に当たる部分に平らなところを設けて、外したときにきちんと自立するようになっています。

完成まで数カ月かかりましたがなんとか年が変わる前にお納めさせていただきました。
奥様が喜んでおられた様子を後日I様より聴かせていただいて、
20数年来のご希望をかなえることができてこちらも嬉しい仕事でしたね。

制作にあたり、沢山の資料写真を集めたりしたのですが
一番参考になったのはやはり生きた馬でした。
寒い中鉄馬に乗って大山のライディングパークまでいったかいがありましたね。
鉄馬でっていうのは単なる自己満足なんですけどね。 馬への敬意というか。 笑)

午年の今年、あの美しい生き物のように華麗に駆け抜けていきたいものです。
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  # by studio_argento | 2014-01-06 11:44 | ジュエリー | Comments(2)

短信

冬の山陰では珍しい晴れ間に、雪をかぶった大山のふもとまで出かけました。
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鉄の馬で行ったのは・・・・
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乗馬に行ったのではなく「観馬」。 笑)
入場料を払って間近でしげしげと見せていただきました。
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かわいいなあ

やはり実物は違いますね。 
写真ではなかなか細かいところまでわからなくて。
制作の参考になりました。
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  # by studio_argento | 2013-12-04 13:59 | ジュエリー | Comments(2)

Burn out

すっかりウェブの傍観者となってしまっていましたが、久しぶりに書いてみます。

夏の間は仕事よりもあるイベントのことで頭がいっぱい。
直前に難しい仕事が無事終わってほっとしたのもあるのですが、
久しぶりに遊びのプランニングに熱中してしまいました・・汗)

話は10年近く前になりますが、その頃家内は関東の友人に誘われて
筑波サーキットのヒストリックカー耐久レースに女性3人で出ていました。
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当然私も付き添いで遊びに行くので、自然にレース仲間やメカニックさんとも親しくなります。
一度岡山国際(当時はまだTI)サーキットを走ってみたいというお仲間のリクエストにこたえて、
友人2人とメカニックさんを私の35番に、私達夫婦と地元の友人2人が73番スパイダーに乗って、3時間耐久レースに参戦しました。

楽しく走ったレースの様子を、あとで東京で聞いていたのが当時グループに入りたてのH君。
その後「僕も乗りたいです~」と言うH君の希望を「いつかは」と思っていましたがなかなか
実現できずにいました。


今年になって、以前エントリーした耐久レースが8月に岡山国際であると知り、
4月に上京した時にH君と食事をして「出ない?」と誘ってみると
もちろん即答でOK。 
同席していたKさん(元ジュリア乗り)もご一緒してもらえることになりました。

それからレースのあった8月25日まで、私の脳内地図はどんどん「3耐」と言う文字に
埋め尽くされていきました。

もう一台、家内のスパイダーも走らせることにしたのでそっちのドライバー募集からはじめて
懇意にしてもらっているメカニックさんにサポート依頼、フェイスブックを利用して友人の中からスタッフ集め、持参するもののリスト作り、レギュレーションを見ながらドライバーの割り振りやスタッフの仕事割りなどフェイスブック上にグループを作ってすすめました。 
ガレージでは休日を利用しての車両の整備など様々な準備を。
戦略面では綿密にピットインのタイミング等を決めたチャートを作ったりして、
もうレース前から走り終わった気がするぐらいでした。

迎えて当日。
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 午前中のウェット路面も決勝が始まるとすぐにドライになり、
2台とも順調に周回を重ねて無事完走。 35台ほどの参加車のほとんどがミニの中、
重いハンデを課せられたにもかかわらず35番は見事総合5位。
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73番はセイフティカーのあおりをくらって中盤に沈みましたが、ドライバー7人はもとより
メカニックさんやスタッフもみんなニコニコで両車を迎え入れました。
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マシントラブルが出たら申し訳ないなと思っていましたが、大きな問題もなく
ドライバーはみんな「乗りやすい」とほめてくれました。
スタッフの中にはレースを見ることもあまりなく、チームスタッフとしてピットに入るのは
初めてという人が何人かいましたが、口をそろえて「楽しかった~」と。
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来年は5時間耐久かも という話を表彰式で聞きましたが、この調子だと
また出ることになりそうですね。


う~ん、また仕事にならない・・・苦笑)
単独のレースとは違う楽しさがありますからやめられないかも。




余談
サーキットの行き帰りには積載車でレース車両を運ぶのですが、
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土曜日の夕方サーキットに向かう途中の米子自動車道で2台の積載のうち
私が運転していたのがなんとパンク。
「バーン」という凄い音でハンドルを取られました。

さいわい登りでしたし直前にタイヤから変な振動が出ていたので速度は低く、
すぐ目の前だったパーキングエリアまでゆっくり走行。
もう一台の積載に積んであった工具でスペアと交換して事なきを得ました。

「いや~、2台つるんでてよかったね。 Sさんがいてくれたから交換もできたし」
前夜の宴の話題ができたと笑いながらサーキット入りしてレースに臨みました。

さて、レースが終わって「楽しかったね、またやろうね。 じゃあ」と別れた帰路。

 











            「バーン」










米子道のトンネル出口でまさかの再パンク。 交換したスペアでした。
レスキューを呼んで、ダブルになっているリアから1輪を前に回してもらい
最寄りのインターで降りてゆっくりゆっくりと帰りました。

「禍福はあざなえる縄のごとし」と言いますが、アンハッピーな出来事とラッキーなことが
絡み合った印象深い3時間耐久レースでした。

私自身もすっかり「バーンアウト」 
気持ちも「バースト」してしぼんだ風船みたいになりました。 笑)

でもまた次の「イベント」が脳内地図を埋めつつあるのですけどね。

   
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  # by studio_argento | 2013-09-19 14:39 | ヒストリックカー | Comments(0)

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