<   2010年 03月 ( 4 )   > この月の画像一覧

 

カスタマイズ

クルマやバイクを好きな人にとって「カスタマイズ」という言葉はもう馴染みがあるものと思います。

メーカーから出荷されたクルマやバイクを好みにドレスアップや改造することで(もちろん違法にならないように)世界に1台の自分のマシンを作りだそうとすることを言います。

「カフェレーサー」などと呼ばれるスタイルは今でもちょっと旧い欧州車やクラシックスタイルのバイクに人気がありますし、トコロさんの世田谷ガレージなどで紹介されるアメリカンスタイルのカスタムもまたポピュラーですね。

さて、今回はシルバーアクセサリーのカスタムと言える仕事をご紹介しましょう。
お客様のご主人は今山梨県甲府市に単身赴任中。
甲府と言えば宝飾産業の街。 
もともと宝石が好きなその方はそこでご主人用にとラウンドカットされた水晶を買い求められました。
その水晶は、かなり昔にカットされたもので、戦中は難を避けるため土中に埋められ終戦後に掘り起こされたものだとのこと。 少なくとも80年以上前にカットされたもののようです。

その水晶と市販のリングを持ってご来店されたお客様のご希望は
デザインが気に入っているそのリングの石をはずして水晶を入れてほしいというものでした。
f0179073_13573848.jpg
まずは「覆輪」と呼ばれる部分を切ってムーンストーンを取りはずし
f0179073_13575828.jpg
石が納まっていた「石座」の部分を削り落します
f0179073_13581668.jpg
削った跡はきれいに仕上げておきます
f0179073_135833100.jpg
ロストワックス法で製作することにしたので、ワックスで水晶の石座を作ります
f0179073_1358508.jpg
石が納まることを確認して
f0179073_1359778.jpg
シルバーで鋳造します
f0179073_13592574.jpg
これを元のリングに入るよう調整して
f0179073_13594698.jpg
磨いて仕上げた後リングとロウ付けします。 
水晶を元のリングと同じように覆輪留めで留めて完成です
f0179073_140798.jpg
f0179073_1402791.jpg
もともとそうであったかのようにリングのデザインに溶け込みました。
奥様の思いや、長い歴史を持つこの石のパワーがご主人に伝わるように、水晶のキューレット(下の尖った部分)がかすかに指に触れるようにしてあります。
もちろん痛くない程度にですが。

リフォームのご依頼をいただくとき、多くは石を再利用して地金部分は新たに作り直します。
そういう意味では元のリングをベースに作り替えた今回のご依頼はカスタマイズと呼べるのではないかと思うのです。
地金の種類や処理方法によっては不可能な場合もありますし、多少のリスクを覚悟していただく場合もありますが、アクセサリーのカスタマイズというのも面白いのではないでしょうか。
[PR]

  by studio_argento | 2010-03-25 14:41 | シルバーアクセサリー | Comments(2)

速報(?) Centoannni Clasiscca

3月14日に小豆島で開催されたカーイベント、チェントアンニクラシカを見に行ってきました。
沢山写真を撮ったのですが、わりと良く取れたものをとりあえずアップします。
日記として書けるかどうかは??ですが・・・笑

f0179073_21231626.jpg
f0179073_21245355.jpg
f0179073_2129278.jpg
f0179073_21301960.jpg
f0179073_21314573.jpg
f0179073_21324797.jpg
f0179073_21345019.jpg
f0179073_21365728.jpg
f0179073_21382160.jpg
f0179073_21393610.jpg
f0179073_21411288.jpg
f0179073_21421745.jpg
f0179073_2143365.jpg
f0179073_1321776.jpg
f0179073_133137100.jpg
f0179073_13221475.jpg
f0179073_1323446.jpg
f0179073_13255888.jpg
f0179073_13272668.jpg
f0179073_13283529.jpg

[PR]

  by studio_argento | 2010-03-15 21:48 | ヒストリックカー | Comments(12)

ちいさなお客様

2月半ばのある日曜日にはるばる大阪からちいさなお客様がおみえになりました。
小学生の彼のご希望はお母様へのプレゼントのリング。

実は少し前にお父様から、お誕生日と結婚記念日のお祝いに息子さんがお母様(奥様)にプレゼントをするというので力を貸してやってほしいとメールをいただいていて、この日父子でご来店いただいたのでした。

お父様(と言っても私より年下ですが 汗)は大阪でカフェを営業しておられるのですが、イタリア車好きのそのブログは以前から拝見していて、一度おじゃましてみたいと思っていたところでした。
奈良の帰りに寄ろうと思ったのですが・・・)

車談義になるのを我慢しながら、息子さんとプレゼントするリングのデザインについてお話をしました。
出来るだけわかりやすく、簡単なスケッチを描きながらご相談して決めていただきました。
それを元に製作したのですが、その過程を依頼主さんにも見ていただくことにしましょう。

まず、デザインから製作方法を決定します。
今回はワックスで原型を作ってそれを金属に置き換える、ロストワックス法で作ることにしました。
チューブ状のワックスを鋸で切り出します。
f0179073_15552494.jpg
f0179073_15553897.jpg
希望のサイズになるようにリーマーという工具でその内側を削ります。
f0179073_15561187.jpg
 
f0179073_16154582.jpg
サイズは10号、ゲージに入れて確認します。
f0179073_1621275.jpg
横の面をヤスリで削って平らにし
f0179073_163911.jpg
余分な厚みも鋸でカットしてそのあとヤスリや彫刻刀で形を整えていきます
f0179073_1634963.jpg
f0179073_1641411.jpg
f0179073_1653987.jpg
f0179073_16114512.jpg
サンドペーパーで表面をきれいにしておきます。
f0179073_1612863.jpg
f0179073_16122975.jpg
次は指輪の上に乗る部分。ワックスをカットして正方形を作り、
ガイドになる線を入れて彫刻刀で少しづつ削っていきます。
f0179073_16134066.jpg
f0179073_16135654.jpg
f0179073_16141279.jpg
f0179073_16143012.jpg
f0179073_16145112.jpg
形が決まったらふっくらした感じを出すように凹みや丸みをつけていきます。
f0179073_1617324.jpg
f0179073_16172487.jpg
リングの部分に乗せてバランスを見ます。
先にリング部分を作ったのは全体の大きさのバランスを確認しながら作りたかったからです。
f0179073_1617505.jpg
OKだったので指輪とくっつく部分を四角くのこして四つ葉の裏側を削って薄くします。
f0179073_16181547.jpg
ここも何度もリングに乗せてみてバランスを確認しながら削ります。
f0179073_16263650.jpg
f0179073_16223761.jpg
リングも四つ葉も出来上がったので次は言葉を彫りこみます。
f0179073_1623167.jpg
サインペンで下書きをして、リングの内側にはひらがなで「おかあさんへ」と息子さんのお名前。
f0179073_1630128.jpg
四つ葉の裏側にはそれぞれのお名前をローマ字で彫りこみました。
f0179073_16242115.jpg
彫りこんだらいよいよリングと四つ葉をドッキング。熱でとかしたワックスを流し込んでくっつけます。
f0179073_1628187.jpg
f0179073_16282520.jpg
そして最後にお父様のご希望で、四つ葉に茎をつけます。
f0179073_1631597.jpg
茎は指輪になったときに何かに引っかからないように端をリングにつなげておきます。
f0179073_16313735.jpg
f0179073_16331038.jpg
これでワックス原型の出来上がり。
f0179073_16333687.jpg
これを耐熱性の石膏型に埋め込んで
f0179073_16354179.jpg
固まったら電気炉で加熱(700℃ぐらい)して
f0179073_1636817.jpg
ワックスをとかし、できた空間に熔かした金属を流し込みます。
冷えたら型を壊して取り出し、磨きます。ホワイトゴールドの場合は仕上げにメッキに出します。


そして出来上がったのが
f0179073_16365863.jpg
f0179073_16372380.jpg
f0179073_16375168.jpg
f0179073_16383313.jpg

長くなってしまいましたが、Rくん、あの指輪はこんなふうに作られたんですよ。
おかあさんは喜んでくれましたか?

かわいいお客様からのご依頼は、こちらもハッピーになる素敵な仕事でした。
[PR]

  by studio_argento | 2010-03-13 16:45 | ジュエリー | Comments(7)

エンゲージリングのサプライズ

過去に製作したものは写真に撮っておくようにしています。
カテゴリー別に分けてフォルダに入れて、デジカメとパソコンは便利ですよね。

お客様が来られると、過去の作品写真を一点づつ入てあるフォルダを開いて
参考のためにお見せすることがあります。

今回のお客様はそんな写真の中の一点に一目ぼれされました。
以前一度紹介したことがある、市松模様のリングです。
新婦のほうが気に入られたのですが、新郎にも受けが良く、これで作ることになりました。

ただ、お二人がオリジナリティを出すためにこだわったのは内側。
原稿を持ってこられて、「このパターンを刻印してほしい」と依頼されました。
f0179073_18534463.jpg

なんだかわかります?
実はこれ、男性が乗ってらっしゃるクルマの「顔」なんです。
アメリカ製オフロード車に乗っておられる新郎はその車で競技(4×4トライアルかな)
に参加しておられるとのこと。
表には新婦の好みのデザインを、内側には新郎のこだわりのデザインを。
お二人で良くバランスを取っている、素敵なカップルでしたね。
内側の刻印は大変でしたが、ご希望通りのデザインで出来上がり、お二人にはとても喜んでいただけました。
f0179073_18542220.jpg
f0179073_18544417.jpg


ふと思ったのですが、もしかして新婦は表のデザインにチェッカーフラッグをイメージしていたのではないでしょうか?
新郎の競技会での好成績を祈って。


この話にはちょっと続きがあります。
はじめて二人でご来店いただいた翌日、新郎が一人でいらっしゃいました。
差し出されたのは宝石の王とも呼ばれるアレキサンドライトのペンダント。
なんでも、若いころ(今でも若い方ですが 笑)頑張って自分のために手に入れた品とのこと。
「これを使ってリングを作ってほしい。それを彼女へのエンゲージリングにしたい。」 というご希望でした。
歳をとったせいかこういう話にはグッときて思わず涙がこみ上げそうになるのですが、
それを我慢してお話を伺い、ご依頼を受けました。

ペンダントから石を取りはずして
f0179073_1855817.jpg
f0179073_18551785.jpg
作ったリングがこちらです。
f0179073_18554614.jpg

お二人のイニシャル、HとMをモチーフに中央にアレキサンドライトを置いたリングです。
デザインを考える時点で市松模様のウェディングリングを作るのは決まっていましたから
エンゲージリングの縦線はウェディングリングと合うように入れました。
f0179073_1859208.jpg
f0179073_18561364.jpg
f0179073_18583111.jpg
f0179073_18585472.jpg

V字や凹の切り込みはいろいろ変化を持たせています。
2本を重ねて着けると西洋のお城のようにも見えますね。
後日、このリングを受け取ったという新婦が次にご来店された時の嬉しそうな顔は忘れることができません。
ほんとうに素敵なカップルでした。

チェッカーフラッグ、4×4、イニシャル、二人の城、宝石の王、いろいろなキーワードがすべて互いを想いあう二人を表している、そんなリングが出来上がりました。

畑違いとはいえ、おなじ4輪で競技している者同士、ときどき話がそちらに脱線してしまって打ち合わせが進まなかったというのはご愛敬でしょうか。 笑)
K様、一度サーキットにも遊びに来てくださいね。
[PR]

  by studio_argento | 2010-03-06 19:01 | ブライダル | Comments(0)

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE