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リプロダクト

先日、今年初めにウェディングリングをオーダーしていただいたお客様が
奥様おひとりで来店されました。

お話をうかがってみると、ご主人のほうのリングが見えなくなってしまったとのこと。
どこに行ってしまったのかまったく分からないので
もし可能であればもう一度同じリングをつくれないものかと相談されました。
お作りしたものは2本のリングがぴったりとかなさり合い、大きなカーブを描く部分には
凹んだ部分が光のアクセントになっていたものでした。
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自分で作ったものですからもう一度作るのは可能です。
(手作りですから完全に同じものは無理ですけれど)
ただ、カーブを合わせるために奥様のリングを預かる必要がありました。
でも、奥様はこのリングをご主人へのクリスマスプレゼントにするので秘密にしたいとのことでした。
ですからこの指輪を何日もお預かりすることはできません。

そこでこの指輪のカーブを写し取りました。
具体的にはテーパー状の木の丸棒に薄い板状のソフトワックスを巻き、
リングを入れてそのカーブに合うようにワックスを切り取りました。

その日はそれでリングをお返しして、後日製作時にソフトワックスを開いてカーブを平面に写し取り
用意したプラチナ地金をそれに合わせて曲げました。

これを丸めるとほぼ希望通りのカーブを持ったリングができます。
もう一度ご来店いただき、数時間指輪をお預かりして荒削りのリングと奥様のリングをぴったりと合うように調整しました。

その後表面の凹みを入れて全体を磨き上げ、内側の下穴にペリドットを留めて完成しました。
もちろんはじめに作ったものと同じ刻印を入れてあります。
(画像は名前を消してあります)
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昨日か今日、このリングはご主人の指に収まっているはずです。
もとあったものと同じ形で、そして同じ、いやもっと深い奥様の想いとともに。
(奥様のおなかにはBabyが! 想いも1.5人分というところでしょう)
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  by studio_argento | 2009-12-25 14:08 | ジュエリー | Comments(0)

cafe ドーフィン&studio Rosso


私の友人で、ガレージの大家さんでもあるWさんはミニチュアカーモデルの世界では名の知られた「フィニッシャー」で、その技術の高さとセンスから製作をオーダーしても2年待ちというほどの人気作家です。

脱サラしてフィニッシャーとして成功し、夢をかなえたWさんが今度は奥様の夢をかなえるためにカフェを建てられました。
今日、12月16日は、そのカフェ&アトリエのグランドオープンの日です。
今朝は雪の予報を受けて家内の車のタイヤ交換にガレージに行ったので
作業後にオープン一番乗りをさせていただきました。
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入り口に向かって左半分が奥様のカフェ「ドーフィン」
中央にテラスを挟んで右側がギャラリースペースとWさんの工房、「Studio Rosso」です。

立地は「こんなところにあるの?」といったところですが、ご本人のこだわりから
看板もなく、開店を示すプレートがあるのみです。
しかし、床暖房&薪ストーブのあるカフェではゆっくりと時間が流れて
この時期には変わりゆく山陰の空の色を楽しみながら奥様手作りのケーキなどを味わうことができます。
もちろん食材も奥様こだわりの品ばかりとのことでした。

ギャラリー部分では西欧アンティーク家具などの展示をされていますが
いずれはいろいろな作家さんの作品展なども企画されると思います。

ギャラリーの奥にあるSutudio Rossoのドアを開けるとそこは一転、
好きな人にはたまらない自動車模型の世界が広がります。
ほとんどの作品をオーダーメイドで作るためにWさんの作品はあまり沢山ありませんが、
運が良ければ製作途中の状態を見せてもらうことができるかもしれません。
でもかえって完成品よりそのほうが技術の凄さを感じられるかもしれませんね。

Wさんは親子2代で車好き、お父様と二人でレストアなど、この場所で車道楽に明け暮れておられましたが(その罪滅ぼしというわけではないのでしょうが 笑) 今度は同じ場所で奥様の夢をかなえてあげたということですね。



ところでオープン前々日、広島から一台の車がドーフィン&Rossoにやってきました。
それはアルファスッド。 しかも初期の1200㏄4ドアです。
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実はこの車、Wさんのお父様が以前所有されていた個体なのです。
お父様が手直しをして乗るつもりで手に入れられたのですが、残念なことに想いを遂げられずに他界されその後縁あって関西にもらわれて行きました。
数年前広島の現オーナーさんのもとに行き、しばらく眠っていたのですが
先日ナンバーを取られたということで、SNSでつながりのあった私が「ぜひ里帰りを」とお誘いしたのです。
シトロエンDS、CX、GSなどがお好きだったお父様が珍しく選んだイタリア車、
その乗り味を息子さんに味わってもらいたかったのです。

普段あまり人の車に乗りたがらないWさんを半ば強引に助手席に座らせ
オーナーさんにあたりを一周していただきました。
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笑顔で降りてきたWさんがどう思ったかはわかりませんが
(おせっかいな)私としてはなんだかほっとしたような、嬉しい気持ちになれました。

初めてお会いした現オーナーさんも良い方で、松江に一泊された翌日は
私のお店のほうにもお越しくださいました。
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スッドは私も家内も大好きな車の一つ。
これをご縁によろしくお願いいたしますね、Hさん。

そうそう、行ってみたいという方のために地図を貼っておきましょう。
旧車で行くのは塩を撒かれなくなる来春以降がお勧めですが。 笑)
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  by studio_argento | 2009-12-16 14:55 | 日常 | Comments(11)

ニーラーを知っていますか

ある秋の日それはやってきました。

私の前職の先輩で同郷でもあるIさんは2輪、それも外国車が好きで
若いころからBMWやドカティを乗り継いでいました。
ここ10年ほどはマイクヘイルウッドレプリカの車検を切らせてしまい
2輪には乗っていなかったのですが、その間Iさんは別のものに夢中になっていたのです。

それは「ニーラー」 Kneeler 、レーシングサイドカーです。
といってもあまり馴染みがないかもしれませんね。
町で時折見かける、オートバイに側車をつけたものとは違ってフレームからそれ用に作られた
レース専用マシンで、膝(knee)をつくように着座して運転をするドライバーと、後で体重移動してバランスをとるパッセンジャーの2人で走る他にはないモータースポーツです。
以前は2輪のグランプリと同時開催されていて、いわゆるコンチネンタルサーカスを一緒に回っていましたから衛星放送で見ることができて、日本人の兄弟や夫婦(!)の健闘を応援していたのですが、今は選手権からは外れてしまっていて残念ながら目に触れることは少なくなっています。

Iさんは鈴鹿サーキットや岡山国際サーキットで行われたレースに何度か顔を出し
知り合いになったオーナーさんの1人から、この秋1台のマシンを譲り受けました。
とりあえず置き場に困っていたので私のガレージに預かることになり、
岡山国際でのイベントの前日はるばる関東から前オーナーさんが運んでこられました。
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ストリームラインのボディがカッコいいですね

翌日応援&お手伝いに行ったのですが、ドライバーも数回しか乗ったことがなく、パッセンジャーは初めてということもあって出走前は2人とも緊張した面持ちでしたが、
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走り出してみればそれなりに格好になっていました。
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無事完走したIさんは念願のニーラーのオーナードライバーとしてのデビューを喜んでいたようです。
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パッセンジャー君もまんざらではなかったのかな?

ニーラーにはいくつかのクラスがあり、
F4がカートコースなどで競われる小さいもの

F2がドライバーの下にエンジンを抱えるタイプでパイプフレームのもの
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(このマシンは2007年のマン島TTにチャレンジした(!!)マシンです)

F1がミドシップマウントのエンジンとアルミ板で作ったモノコックフレームのもの
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(エキパイが前に伸びていてどっちが前だかわからない感じですよね)

というふうに分かれるようです。

今回IさんのもとにやってきたのはF1のマシン。
考えてみるとこれって細かなレギュレーションは違うものの、本場ヨーロッパで走るものと基本的に同じで世界トップカテゴリーのマシンです。

2輪で言ったらMOTOGPマシン、4輪で言ったらF1マシンということでしょう。
いくらマイナーカテゴリーで裾野が無いとはいえ、そんなマシンに乗れるIさんをちょっとうらやましく思ったのでした。

でもパッセンジャーに誘われても遠慮したいですね  笑)

おまけ:
サイドカーつながりでちょっと。
先日ヤフオクで発見して思わず「ポチ」っとしてしまったのがこれ。
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フランス人が作ったフィギアらしいのですが、
どうです?なかなかいい雰囲気でしょ。
「バイク好きなんだな~」と思わせる出来に届いてからも思わすニヤリ。
他にもいろいろあるようでしたが、Guzziはこれだけだったので。
ココに出てますから気になる方はチェックしてみたらいかがでしょう。
で、出品者が偶然にも知人のご兄弟。
いやはや世間の狭さというかなんというか。 笑)
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  by studio_argento | 2009-12-06 15:54 | 日常 | Comments(6)

スピネルのリング

スピネルという宝石があります。
あまりなじみのない宝石かもしれませんし、ご存じの方でも合成石のほうをイメージされる方が多いかもしれませんね。

天然のスピネルは、硬度も7.5~8と高く、屈折率も高くて良く輝くきます。
色のバリエーションも豊富で、赤いものは昔はルビーと間違えられることも多かったようです。
イギリス王室に伝わる王冠に使われる「黒太子のルビー」は実はスピネルであったというのは有名な話です。

これはパープルのスピネルを使ったリングです。
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上品な色合いですがカットの良さも手伝ってとてもよく輝き、大きさもあるので存在感がありますね。
爪を丸く仕上げることと上から見たときに細く見えるようにとの希望でしたのでリングの部分を薄い板状にしました。 
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(指に当たる部分には幅を取って「指なじみ」をよくしてあります。)

石を留める枠も少し持ち上げるようにして光が入るようにし、板状の腕には丸穴をあけました。
イメージしたのは「軽さ」です。
飛行機やレーシングカーなどの軽さと強度を求められるものの構造部分などで見られる
「軽め穴」といった感じでしょうか。
大きめで高さのある石の割に軽やかなリングが出来上がりました。
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実はこれ、家内からのオーダーでした。
はじめは「男の人が考えそうなデザインね」といぶかしげでしたが、
出来上がったものを見てとても喜んでくれました。
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一番厳しい顧客に気に入ってもらえてホッとしましたね。
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  by studio_argento | 2009-12-01 14:50 | ジュエリー | Comments(3)

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