カテゴリ:ジュエリー( 77 )

 

家族のペンダント

そのお客様(男性)は、趣味を仕事にしたような方でした。

ですから仕事が大好きで、まるで遊んでいるかのように夢中で仕事をしてこられました。
若いころからつきあって、お互い好きで結婚した奥様のことも
お二人のお子様のことも時には忘れてしまうほど。

ところがあるきっかけで家族というものを考え直すことになり、
その答えの一つとして思いつかれたのが今回ご紹介するジュエリーです。

家族4人の誕生石を配したペンダント。
ひとつの家族をイメージしたデザインのそれは奥様へのプレゼントでした。
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一点ものの製作ですからまさに世界にただ一つの家族。
そのつながりを大事に思うお客様の気持ちをカタチにしてみました。
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ケースに収めて納品。
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喜んでいただけるといいなと思っていたのですが・・

しばらくしてからお客様からお電話をいただきました。
渡したときに奥様はあまり嬉しそうな様子を見せなかったとのこと・・・・・・・





「喜んでもらえなかったのかな?」と思っていたお客さまに、奥様は後日

「ほんとうに嬉しい時はその場では
あまりはしゃげないものなのよ」


とおっしゃったそうです。


もちろん奥様はお客様への感謝を言っておられるのでしょう。

しかし、大切な人への心をこめたプレゼント、そのお手伝いができるというのは幸せなことです。
作り手としても最高のコメントをいただいた気がしました。
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  by studio_argento | 2010-09-14 14:17 | ジュエリー | Comments(2)

バチカン

バチカンといってもローマ法王のいらっしゃるあのバチカン市国ではなく、
ペンダントトップの上部にあって、チェーンを通してトップをぶら下げている部分、それの名称です。

一般の方にはなじみがないかと思いますが、日本の宝飾の世界では普通に使われています。
名前の由来についてははっきりしませんが、どうやらその形が三味線の「ばち」に似ているため
ばちににたリング、「ばち環」と呼ばれるようになったようですね。

さて、ご紹介するのはそのバチカンに工夫をしたペンダントです。
お客様がお姉さまから譲り受けたアメジストをペンダントにとのご希望。
やや大ぶりな(お客様の好みに対して)石だったので周りに飾りをつけずに
バチカンにデザインを入れました。

プラチナの板を切り出してハートを作ります。
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3個作ってロウ付け。
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別に作っておいた石座と繋げて、さらにチェーンを通す部分を裏につけてバチカンの出来上がり。
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ご自身の心臓の位置にシンクロするように左側のハートにメレダイヤをパヴェに。
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バチカンに光るメレダイヤが良いワンポイントになる素敵なペンダントが出来上がりました。


次はダイヤの立て爪リングのリフォームをご希望とのこと。
どんなデザインになるか、こちらも楽しみです。
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  by studio_argento | 2010-09-01 14:11 | ジュエリー | Comments(0)

オパールのリング ~リフォーム~

オパールのリングをリフォームしました。

オパールという宝石はとかく年配の人というイメージがあるようですが、
それはデザインが古いジュエリーばかりご覧になっているからかもしれません。

今回のリフォームも、もとは古いデザインのリングでした。
ご依頼主のお母様が大事になさっていたリング、それをご本人のために作り替えました。

ご希望はシンプルで普段使えるもの、指が長く見えるデザインとのこと。
2度のプレゼンでデザインが決まりました。
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リズム感のある腕が軽快に指の上でループしています。
オパールは中央から少しずらして変化を持たせています。
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普段使いですのでメレダイヤなどは留めずにスッキリと仕上げました。
オパールの表面には少しシミがありますが、
この場合その宝石に対するご本人の想いのほうが宝石の市場価値に勝りますね。


出来上がって指にはめていただいた時の嬉しそうなお顔は
やはりこの仕事をしていて良かったなと思える一瞬であり、
次の仕事へのエネルギーですね。
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  by studio_argento | 2010-08-10 16:19 | ジュエリー | Comments(0)

夏に涼しい

全国的に梅雨明けして暑い(熱い?)日が続いていますね。

こんなときはせめて爽やかな色合いのジュエリーをみて少しでも涼んでいただきましょう。

お客様持ち込みの壊れたリングと裸石(カットされた宝石単体をこう呼びます)での
オーダーメイドです。
ブルートパーズと思われるきれいな透明水色の石と、壊れたリングのメレダイヤを使って
ペンダントトップを製作させていただきました
(リフォームの場合、特にご希望が無い限りお持ち込みの石の鑑別は致しません。石の名前よりお客様の想いのほうを大事に思うからです)。
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メレダイヤを取りはずしたところ

いくつかの案から多少の手直しとともにお客様が希望されたデザインをもとに
ワックスモデルを製作。形状をお客様に確認していただきました。
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ワックスの色は本来、ブルーやパープル、グリーンなどですが
それではイメージがつかみにくいので銀色に塗装。
メレダイヤの部分は白く塗って完成のイメージがつかみやすいようにしてあります。

気に入っていただけましたので、石が留まる部分は地金をロウ付けしての手作りで
上の部分はワックスモデルをそのままロストワックス法で製作しました。
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事前にデザインを立体的に確認していただいたので、仕上がりには満足いただけましたし
チェーンもお手持ちの物を使い、メレダイヤを取りはずしたリングも地金を下取りさせていただきましたので価格的にも喜んでいただけました。

先日お会いした時にもこのペンダントが胸元を飾り、涼しげな光を放っていて
こちらの気持ちも爽やかになったようでした。
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  by studio_argento | 2010-07-21 10:31 | ジュエリー | Comments(0)

これも四つ葉の・・・

奥様への誕生日のプレゼントにとオーダーされたペンダント。
ご主人からのご希望は「四つ葉のモチーフで」。

このブログをご覧の方はおわかりかもしれません。
そう、このご主人もアルファロメオオーナーなのでした。

車両に使われている四つ葉のデザインをもとに作ったのがこちら。
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奥様のご希望で葉の部分は一枚を除いて透かしになっています。
その縁にはちいさな粟粒状の飾り、ミル打ちを施してあります。
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向かって右の一枚の葉にはメレダイヤをパヴェに。
パヴェというのは粒ダイヤを敷石のように敷き詰め、その間をミル打ちで飾る留め方です。
中央には0.1カラットのダイヤを配置。

軽快感と輝きのあるペンダントが出来上がりました。
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つくづく思うのですがアルファロメオオーナーはラッキーですね。
女性へのプレゼントに自分の大好きなクルマのモチーフを使えるのですから。
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  by studio_argento | 2010-07-07 12:17 | ジュエリー | Comments(3)

同じモチーフでも

先日ご紹介したお母さんへのプレゼントリングのように
四つ葉の形をモチーフにしたジュエリーをご紹介します。

今回はリングとピアスのセットです。
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クレイフラワーの先生をしておられるお客様に、手元が華やかに見えるようにとご依頼いただきました。
外形は四つ葉の形ですが、こちらのほうは表面をフラットに仕上げ、5種類のカラーストーンを留めました。
その周りは「ミル打ち」という粟粒状の仕上げで華やかさを演出。
リングに対して少し斜めにセットしました。
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使った石は中央がアクアマリン、上から時計回りにインペリアルトパーズ、アメジスト、ピンクサファイア、ペリドットです。

ピアスのほうはお客様の誕生石でもあるアクアマリンを留めて、ミル打ちのパターンをリングと反転してあります。
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ピアスキャッチも耳に優しいシリコンゴムタイプの厚手のものを用意しました。
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同じ四つ葉でも先日のリングとはまた違った雰囲気のものが出来上がりました。
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テーマが同じでも様々なデザインの可能性がありますね。
日頃からモノを見るときに意識するようにしてはいるのですが、
私には無いものをいお客様からいただくこともよくあります。
デザインというのはほんとうに無限の広がりを持つ世界ですね。
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  by studio_argento | 2010-04-21 14:52 | ジュエリー | Comments(0)

ちいさなお客様

2月半ばのある日曜日にはるばる大阪からちいさなお客様がおみえになりました。
小学生の彼のご希望はお母様へのプレゼントのリング。

実は少し前にお父様から、お誕生日と結婚記念日のお祝いに息子さんがお母様(奥様)にプレゼントをするというので力を貸してやってほしいとメールをいただいていて、この日父子でご来店いただいたのでした。

お父様(と言っても私より年下ですが 汗)は大阪でカフェを営業しておられるのですが、イタリア車好きのそのブログは以前から拝見していて、一度おじゃましてみたいと思っていたところでした。
奈良の帰りに寄ろうと思ったのですが・・・)

車談義になるのを我慢しながら、息子さんとプレゼントするリングのデザインについてお話をしました。
出来るだけわかりやすく、簡単なスケッチを描きながらご相談して決めていただきました。
それを元に製作したのですが、その過程を依頼主さんにも見ていただくことにしましょう。

まず、デザインから製作方法を決定します。
今回はワックスで原型を作ってそれを金属に置き換える、ロストワックス法で作ることにしました。
チューブ状のワックスを鋸で切り出します。
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希望のサイズになるようにリーマーという工具でその内側を削ります。
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サイズは10号、ゲージに入れて確認します。
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横の面をヤスリで削って平らにし
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余分な厚みも鋸でカットしてそのあとヤスリや彫刻刀で形を整えていきます
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サンドペーパーで表面をきれいにしておきます。
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次は指輪の上に乗る部分。ワックスをカットして正方形を作り、
ガイドになる線を入れて彫刻刀で少しづつ削っていきます。
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形が決まったらふっくらした感じを出すように凹みや丸みをつけていきます。
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リングの部分に乗せてバランスを見ます。
先にリング部分を作ったのは全体の大きさのバランスを確認しながら作りたかったからです。
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OKだったので指輪とくっつく部分を四角くのこして四つ葉の裏側を削って薄くします。
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ここも何度もリングに乗せてみてバランスを確認しながら削ります。
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リングも四つ葉も出来上がったので次は言葉を彫りこみます。
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サインペンで下書きをして、リングの内側にはひらがなで「おかあさんへ」と息子さんのお名前。
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四つ葉の裏側にはそれぞれのお名前をローマ字で彫りこみました。
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彫りこんだらいよいよリングと四つ葉をドッキング。熱でとかしたワックスを流し込んでくっつけます。
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そして最後にお父様のご希望で、四つ葉に茎をつけます。
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茎は指輪になったときに何かに引っかからないように端をリングにつなげておきます。
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これでワックス原型の出来上がり。
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これを耐熱性の石膏型に埋め込んで
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固まったら電気炉で加熱(700℃ぐらい)して
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ワックスをとかし、できた空間に熔かした金属を流し込みます。
冷えたら型を壊して取り出し、磨きます。ホワイトゴールドの場合は仕上げにメッキに出します。


そして出来上がったのが
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長くなってしまいましたが、Rくん、あの指輪はこんなふうに作られたんですよ。
おかあさんは喜んでくれましたか?

かわいいお客様からのご依頼は、こちらもハッピーになる素敵な仕事でした。
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  by studio_argento | 2010-03-13 16:45 | ジュエリー | Comments(7)

らせんのペンダント

何度か食事をさせていただいて顔見知りになったシェフからご注文いただきました。

プレゼント用にオーダーされたのはプラチナ製ペンダント。 
ガーネットがワンポイントになっています。
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オーダーいただいた時のご希望として、ガーネットを使うこととリングを通して使えるデザインにしてほしいとのことでした。
普通にチェーンにリングを通すと直角になってしまい、どうしても座りが悪くなってしまいます。
それに石を置いたトップとあまり当たっても困ります。
そこでいろいろと考えて思いついたのが螺旋。
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螺旋の中にチェーンとリングを通すことによってリングが正面を向いて固定されます。
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使っているうちにリングがまわって落ちてしまうのではないかと心配されるかもしれませんが、螺旋の両端は閉じてあり、そこにチェーンを通しているので落ちることはありません。

リングを通さない時も、螺旋をぶら下げたりチェーンに通したりして雰囲気を変えることができます。
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チェーン自体も長さを自由に調整できるタイプですのでチョーカーとしても使えます。

写真撮影に使ったリングはお店にあったサンプルのものですが、いつかこのペンダントにとても意味のあるリングが下がる日が来るのかもしれませんね。
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  by studio_argento | 2010-02-02 15:50 | ジュエリー | Comments(0)

スタールビーのリング  形見の品

関西にお住まいのお客様からご依頼をいただいたリフォームです。

お送りいただいたのは古いメンズリング
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印台型と呼ばれる大きなリングにピンクのカボッションカットの石が留まっています。
この石、蛍光灯下ではわかりませんが、太陽光を当てると6条の光が輝きます。
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これはアステリズム効果と呼ばれるもので、内部にルチルなどの針状結晶を含む鉱物にあらわれる特徴ですが、この石のように細く、はっきりと、しかも中央に表れるというのはそう多くはないものです。

石の色から推測してスリランカ産のスタールビーではないかと思ったのですが、
今回はそれを鑑別機関に送って鑑別することはしませんでした。
なぜなら今回のリングはお客様のご主人のおじい様の形見だったからです。

ホワイトゴールドの地金部分は下取りをさせていただくことにして
新たにご主人のためにリングを製作することになりました。
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ご希望のデザインをお聞きしてスケッチをメールで見ていただき
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ワックスで原型を製作して
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仕上がりのイメージがわかりやすいように銀色に塗装して写真を見ていただきました
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OKをいただいて完成したのがこちら
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プラチナを贅沢にに使った存在感のあるリングです。

そのままでは使いにくかった形見の品もリフォームすることで
身につけることができて喜んでいただけたようです。
ちなみにこれは奥様からご主人へのお誕生日のプレゼント。
素晴らしいですね。

それにしてもこんなリングきれいな石のリングをつけていらっしゃったおじい様も
かなりお洒落な方だったのでしょうね。
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  by studio_argento | 2010-01-20 14:56 | ジュエリー | Comments(0)

リプロダクト

先日、今年初めにウェディングリングをオーダーしていただいたお客様が
奥様おひとりで来店されました。

お話をうかがってみると、ご主人のほうのリングが見えなくなってしまったとのこと。
どこに行ってしまったのかまったく分からないので
もし可能であればもう一度同じリングをつくれないものかと相談されました。
お作りしたものは2本のリングがぴったりとかなさり合い、大きなカーブを描く部分には
凹んだ部分が光のアクセントになっていたものでした。
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自分で作ったものですからもう一度作るのは可能です。
(手作りですから完全に同じものは無理ですけれど)
ただ、カーブを合わせるために奥様のリングを預かる必要がありました。
でも、奥様はこのリングをご主人へのクリスマスプレゼントにするので秘密にしたいとのことでした。
ですからこの指輪を何日もお預かりすることはできません。

そこでこの指輪のカーブを写し取りました。
具体的にはテーパー状の木の丸棒に薄い板状のソフトワックスを巻き、
リングを入れてそのカーブに合うようにワックスを切り取りました。

その日はそれでリングをお返しして、後日製作時にソフトワックスを開いてカーブを平面に写し取り
用意したプラチナ地金をそれに合わせて曲げました。

これを丸めるとほぼ希望通りのカーブを持ったリングができます。
もう一度ご来店いただき、数時間指輪をお預かりして荒削りのリングと奥様のリングをぴったりと合うように調整しました。

その後表面の凹みを入れて全体を磨き上げ、内側の下穴にペリドットを留めて完成しました。
もちろんはじめに作ったものと同じ刻印を入れてあります。
(画像は名前を消してあります)
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昨日か今日、このリングはご主人の指に収まっているはずです。
もとあったものと同じ形で、そして同じ、いやもっと深い奥様の想いとともに。
(奥様のおなかにはBabyが! 想いも1.5人分というところでしょう)
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  by studio_argento | 2009-12-25 14:08 | ジュエリー | Comments(0)

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