カテゴリ:ジュエリー( 77 )

 

受け継がれるための

昨秋にオーダーをいただいて年末にお納めしたネックレス&ピアス
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いずれはネックレス&ピアスもお嬢様に譲りたいとのことでしたので
意味のあるデザインとなりました。


追加オーダーいただいたペンダントはまだ小さなお嬢様へ。
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親子で出席されたご親戚の結婚式がお披露目となったそうです。

ご自宅に納品に伺ったのですが、ご自分のペンダントを見たときのお嬢様の喜びようときたら。
どんなに小さくてもやはり女性ですね。 笑)
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  by studio_argento | 2013-02-19 13:51 | ジュエリー | Comments(2)

パールの3連

海外で買ったアクセサリーに使われていたフェイクパールの塗装が剥げてしまい
お気に入りなのにそれを使うことができなくなっていたお客様のために
元のものと同じ大きさ、レイアウトで本真珠に入れ替えました。
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これでまた使っていただけますね。



こちらはゼロからのオーダー
耳元に下がるシンプルなパールのピアス。
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チェーンの部分のデザインを円にして、統一感とリズム感を出しました。
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キャッチはご希望によりシリコンゴムタイプで。
こういうぶら下がりのパールピアスって意外と見ないですね。



もう一つは冠婚葬祭にも使えるスタッドタイプのパールピアスのオーダー。
ただしこちらはお手持ちのネックレスの真珠の色に合わせてとのご希望。
ネックレスをお預かりして近い色のパールを探し出して制作しました。
(写真撮り忘れちゃいました 汗)




3連というと3重になったネックレスと思われたかもしれませんね。
今回は年末に3連続でいただいたパールのオーダーのお話でした。





パールで思い出すのがこれ

この春、吉井和哉のライブが山陰にやってくるとか。 
行かなきゃ。
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  by studio_argento | 2013-01-22 14:17 | ジュエリー | Comments(0)

小さな光

昨年制作したものから。

星や粉雪など、空気の澄んだこの時季ならではの小さな輝きをイメージしたピアスです。
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プラチナ900製
ダイヤモンドは0・2カラット台のものを2ピース

耳元で揺れる小さな輝きは凛とした美しさがありますね。
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  by studio_argento | 2013-01-09 13:56 | ジュエリー | Comments(0)

Time Flies

早いもので気がつけば今年もあと10日余り。
年々時の過ぎゆく速さが加速しているような感じがするのですが、
今年はことさら早かったような気がします。 

今日ご紹介するのは結婚10周年を記念したリングが2種類。
2点をオーダー下さった方たちも、きっとこの10年があっという間だったことでしょうね。

まずはこちら
ご主人の好きなイタリア車を、お子様も含めたご家族で楽しんでらっしゃる素敵なご家族。
そのご主人が結婚10年を記念して、と奥様のためにオーダーしてくださって
私がデザインのご提案をして作ったリングです。
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何も言わなくてもここをご覧の皆さんにはすぐ判りますよね。
ご主人の愛車のひとつ、アルファロメオのマークにある大蛇のモチーフをリングに仕立てました。
冠の部分はリングから出っ張る形に。大蛇にのまれる人のデザインをアメジストで表現。

10周年ということでひとひねり。 
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アメジストを「ゼロ」に見立てて、その左に「1」を表わし、10周年を祝うものに。
表面に出っ張りのない形にしましたので普段使いしやすいものになっています。

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内側には結婚10年を祝う言葉を刻印。 お約束の四つ葉も入っています。




次はこちら。
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ギリシャ数字で10を表わすⅩを、2本のリングにまたがる形に表現しました。
周囲は艶消し仕上げで、端に留めたダイヤの輝きを引き立てています。
内側にはそれぞれの生まれ月の星座のマークをレーザー彫刻f0179073_13484722.jpgf0179073_1349110.jpg
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2人のイニシャルをその両脇に配置しています。



このリングはご主人のお母様が使わなくなったジュエリーをばらして
プラチナ地金とダイヤモンドを再利用したものです。f0179073_13493679.jpgf0179073_13494766.jpg
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結果、使用した地金は再利用分で賄うことができました。

さらに大粒のダイヤモンドがありましたので、それはペンダントトップにリフォーム。
こちらも地金は再利用分で賄えました。
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それでもプラチナが残りましたので、それは下取りという形で制作費のほうから差し引き。
お支払いいただく金額はかなり抑えることが可能になりました。
(余った粒ダイヤはお返ししました)
デザインの相談の段階からお母様にもご来店いただき、リフォームの過程を見ていただけましたのでお二人だけでなく、お母様にも喜んでいただけた様子でした。



どちらのリングも伴侶や家族を想う気持ちが表れた、気持ち良い仕事でしたね。
これから先の10年も仲良くお過ごしください。
きっと今までの10年よりずっと早く過ぎて行くでしょうから。 


私も明後日はまたひとつ歳を取ることになります。 
もう何歳かなんて考えたくないような歳になります。 笑)  
でも「今日という日は自分の人生の中で一番若い瞬間」です。
日々あっという間に過ぎ去ってしまいますが、一人でも多く幸せな笑顔を見られるよう、
まだまだ若輩者として努力しないといけないですね。
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  by studio_argento | 2012-12-19 14:00 | ジュエリー | Comments(2)

エタニティ

エタニティリングと呼ばれる指輪があります。
おもにブライダルリングに見られるものですが、
指輪の表面にダイヤモンドがぐるりと一周留められているものです。
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                                   画像はWebで拾ってきたものです

始めも終わりもない、その留め方が永遠を思わせるということから
その名がついたのだと思います。

一般的に店頭に並んでいる既成品は、一度金属で原型を作り、
それをもとにゴム型などを製作して複製しているものがほとんどです。
各サイズを製作しておいて、お客様の指に合うものを探すのが普通ですね。
手のひら側にはダイヤを留めずにサイズ直しに対応しているものもあるようです。

しかし、オーダーメイドでこれを作るには、指のサイズから指輪の外周を計算して
そこに隙間なく留められるサイズのダイヤモンドを選択、それを留める「座」の部分を
一周作りこまなければならないので制作はなかなかに大変な作業になります。
また、その形状から完成後のサイズ直しができないので
サイズ計測にはかなりの神経を使います。

その分、出来上がりのフィット感は他にないものになりますね。
(普段使いという観点からはあまりおすすめしないのですが 笑)

でも、ダイヤモンドを並べたものだけがエタニティリングというわけではないのでは?
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このリングは奥様がお持ちだった立て爪のリングをリフォームしたものです。
かなり大ぶりなダイヤモンドでしたから立て爪の部分の高さも相当あり
おそらく特別なお出かけの時ぐらいにしか使えなかったと思います。

今回、爪が引っ掛からないようにというご希望と、お好みのデザインの画像をいただいて
基本的な形はすぐに決まりました。

そこにご主人のご希望で「四つ葉」のデザインを入れることになりました。
思いついたのが「エタニティ」。 つまり四つ葉をぐるりと一周表面に刻み込むことです。
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平面でしたらレーザー加工で彫ることもできるのですが、リングの表面がかまぼこ型に
出っ張っているので難しそうです。

結局刻印を特注してひとつずつ手打ちすることに。
といってもきれいに割りつけることも含めて曲面への刻印は相当難しい。 
かなり苦労して一周8個の四つ葉を刻印しました。

生えている茎の向きは4方向すべての向きで2セット。
ぐるりと取り巻いた、様々な向きの四つ葉が「エタニティ」とか「ユニバーサル」といった言葉を
連想させるリングになりましたね。

あ、ここをご覧のほとんどの方はもうおわかりでしょうが、ご主人は生粋のアルファロメオ好き。 
昔からアルファロメオのフェンダーに貼られてきた幸運のシンボル、そこからのモチーフです。
奥様への愛とアルファロメオへの情熱が宇宙に満ちて永遠に続きますように。





ウチの工房では四つ葉のモチーフの作品のオーダーが多いんですよね。
なんでかな? 笑)
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  by studio_argento | 2012-09-15 15:44 | ジュエリー | Comments(0)

T様

T様は私の車関係の友人からのご紹介で来店くださいました。
もうお付き合いさせていただいて何年になるでしょうか・・。

一般的にオーダー希望のお客様でもこんなものを作ってほしいと具体的におっしゃる方は
ほとんどいません。 いろいろとお話ししながらイメージを具現化していくのが普通です。
そのプロセスも含めて「デザインすること」であると考えて制作させていただいています。 
またそのプロセスが出来上がったジュエリーに愛着を持つひとつの要素にもなると
思っています。

しかしT様はジュエリーにはひとかどならぬ想いがあり、自分の欲しいもののイメージを
しっかり持っている、そんな少し珍しいタイプのお客様でした。

ですからT様のオーダー場合は一般的な場合と逆に、
お客様の方から提案をいただいてそれに私が合わせていくというプロセスとなりました。

もちろんいくらジュエリーが好きといっても制作サイドの見方まではご存知ありません。
制作にあたり技術上のいろいろな問題をクリアしなければいけません。
特性を見極めた素材の選択や表現に適した技法も選ぶ必要があります。
場合によってはご希望の表現ができないこともあります。
そこをうまくクリアしていく方法も考えなくてはなりません。
ご予算との兼ね合いもあります。

当初はそのあたりのご説明が上手くできずにちょっとギクシャクしてしまいました。
また、制作費に関しても、比重の重い貴金属の出来上がりの地金の重さを推測するのが難しく、
さらに相場が変動するために一般的な見積書のような正確なものを出すのは困難で、
職務上そういった見積りに慣れておられるT様にはかなりストレスになったようです。

それでも「良いモノを作りたい」との想いはお互いに強いものでしたので
なんとか最初の1点を作ることができ、ありがたいことにそれは気に入っていただけました。

その後、年に1~2個のペースでオーダーをいただけるようになりました。
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                                   これは何番目のオーダーだったかな?








そしてこの春(本当は冬の間に出来上がるはずだったのですが)
お納めしたペンダントトップがこれです。
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ピンクゴールドのフレームに様々な形のアメジストを埋め込み、
縁となる部分とチェーンの通るバチカン部分にはタンザナイトが留められています。

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アメジストの周囲は黒い塗装仕上げ。 全体を引き締めています。
深い紫の花弁をもつビオラのような、ちょっとなまめかしいジュエリーとなりました。 
私自身もとても気に入っています。

制作初期の段階から何度もメールのやり取りでデザインの向きや塗装の範囲などを細かく
打ち合わせをし、必要があれば隣町からご来店いただいて満足いくまで検討していただいて
制作しました。
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                                   制作途中のワックスモデル


このような打ち合わせを続けていると、お互いを分かり合える部分が出てきて
言いたいことやイメージが伝わりやすくなってくるように思います。
自分の作品づくりとは違った醍醐味ですね。

T様が提案されるデザインはいつもハードルが高いのですが、
私ひとりではなくお客様と共に越えていくと思えば立ち向かうエネルギーも倍増しますね。

実はもう次のプランはいただいています。
やっぱりこれもとてもハードルが高いんですよね、嬉しいことに
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  by studio_argento | 2012-07-31 18:25 | ジュエリー | Comments(2)

リフレッシュ 2

歯科技工士からジュエリー制作にシフトしてからもう16年ぐらい経ちます。
歯科でのキャリアより長くなったことになりますね。 早いものです。

おかげさまでたくさんのジュエリーを作らせていただいてきました。
愛用していただいている様子を時々見ることがあります。
それは「磨きなおし」と「サイズ直し」です。

金属というと硬いイメージですが、それぞれ硬度がありますからそれより硬いものに
当たると当然傷がつきます。
以前もお話ししたようにできるだけ表面強度がある状態で仕上げるようにしていますが
やはり使っているうちに小さな傷がついて光沢が曇ってきてしまいます。

でも磨きなおすことによってまたもとの金属光沢に戻すことができます。
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これは表面を一層削ることになるので、お客様によっては磨り減ってなくなってしまうのではないかと心配される方もありますが、本当にごくわずかだけですから細くなったりすることはまずあるません。
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ただ、深い傷については周囲を均して磨くと形が変わっていてしまうので残す場合があります。
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でもこれはそのジュエリーの歴史の一つと考えていただければいいのではと思っています。

艶消しなどの特殊処理もやり直すことでまた新品に近くなります。
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また、リングの場合は指のサイズが変わってきて合わなくなってしまうことがあります。
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そんな時には切り詰めたり、地金をはさんでサイズを伸ばしたりして合わせることもできます。
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ご主人のリングは12年間に2回の直しをして4号縮めました。もちろんそのつど磨いています

ブライダルリングの場合は特にずっと指につけているものですから、
時々はこういったリフレッシュやメンテナンスをした方がいいでしょうね。

私が制作したものに関しては磨きなおし、サイズ直し共に作業工賃は基本的に無料です。
もちろん何度でも。   (ただし伸ばした場合には地金代を申し受けます)

それ以外でもご相談いただければできる範囲で対応しますのでご相談ください。
光らないからと言って引き出しの中で眠らせておくのは悲しいですからね。


そうそう、リフレッシュといえば
先日借りているガレージの屋根を塗装しました。
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ずいぶん錆びているのを知人から指摘され、大家さんに相談したところ
「一緒に塗ろう」と。
知り合いの塗装屋に聞いて、適した塗料を用意してもらい、2人で一日かけてさび止めを。
その後半日かけて上塗りをしました。 
もう一回上塗りをする予定ですが、明るい色でリフレッシュした屋根は
もうすぐやってくる夏の日差しを少しははね返してくれそうです。
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  by studio_argento | 2012-06-12 14:41 | ジュエリー | Comments(8)

八雲

「八雲」という単語は島根県、特に出雲松江地域に住む人にはなじみ深いですね。

日本神話でスサノオノミコトが
「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣つくるその八重垣を」
とよんだ和歌に由来して出雲の国を象徴することばになっているとのこと。

山陽とをつなぐ伯備線の特急が「やくも」だったり
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松江市の隣には八雲村があったり(合併されちゃいましたが)
松江市内にも八雲台という地名があったり
他にも街を見回すといたるところで八雲という文字を見ることができます。

出雲以外にも八雲という地名はありますね。
東京目黒区の八雲はそこにある氷川神社がスサノオを祀ってあるからだそうです。

また、明治の文学者小泉八雲ことラフカディオ・ハーンも
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松江に住んでいた時に日本人女性をめとり、小泉姓になった時に出雲の地にちなんで八雲と
名乗ったといわれています。

その小泉八雲の旧居で、先日友人が写真展を開催したので見に行ってきました。
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松江に住んで延べ30年ちかくなりますが、「来たことあったっけ?」という地元ならではのボケっぷりは置いておいて 笑)

武家らしい質素な造りの家なのですが、3方に小さな庭を持つ良い家でした。
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友人の写真も面白いことを試していて、(もちろん八雲やその時代にちなんだ方法で)
その空間によく合ったように思いました。

残念ながらもう会期は過ぎてしまいましたが、隣の記念館のほうでは
「知られぬ日本の面影」への旅 と題して1年のロングラン展示をしているとか。
また時間を取って見に行こうと思います。




八雲つながりでこんどはお仕事の話題を。

その女性は小泉八雲が好きで、岡山から何度も松江に通い
婚約者と一緒にあちこち散策されていました。
そんな中「この地にゆかりのある結婚指輪ができないものか」という話になり
いろいろと探してみた結果ある日私の店に電話がかかってきました。

ご来店いただいて話をうかがい、後日提案したいくつかのデザインの中から
選んでいただいて制作したのが

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それぞれのリングに流れる雲を4つ。
雲の形は出雲大社の本殿天井画からイメージしたもの。
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(遷宮による一般公開時のチケットです)

そしてリングを重ね合わせたときに二人にとって意味深い星、
「夏の大三角」を形作るようにガーネットとピンクサファイアを配置。
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内側には二人のイニシャルをデザイン化、ご希望のメッセージも刻印しました。
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お納めしたときにお二人は「ここに宇宙がある」と、とても喜んでいただきました。

新郎からの問い合わせの電話のときにいろいろとお話させていただいたのですが
我が家の車のエンジン部品の加工を依頼した工場とのつながりがあって驚いたり
子供のころ読んで印象深かった「大空のサムライ」の著者
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「坂井三郎」氏と交流があったと聞いて話が盛り上がったり。

八雲の不思議な糸でつながったお客様と楽しい会話と良い仕事ができました。

八という文字は8ではなくたくさんという意味を持つのだと聞いたことがあります。
2人のこれからにも幸せなことがそれこそ雲が湧き出るように起こるといいですね。
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  by studio_argento | 2012-04-11 10:33 | ジュエリー | Comments(2)

加工硬化

塑性という言葉はあまり耳なじみがないかもしれませんね。
外部から力を加えたときに物質が変形し、その変形が力を取り除いた後も
永久ひずみとして物質に残るような性質のことを言います。
粘土に指を押し付けたときのような感じです。

ジュエリーに使われる金属はこの塑性を利用して加工、形作られていきます。
工業的に言うと、鍛造、圧延、転造、プレス、曲げ加工などといったところでしょうか。

そういった塑性加工を金属に対して行うと、金属の結晶の境界にすべり面が生じ、
その抵抗が大きくなってまた次のすべり面を生じるという動きが起きます。
その結果全体の抵抗が増して材料が硬くなります。
これを「加工硬化」といいます。
針金を一点で何度も曲げていると硬くなって折れますよね。 あれがそうです。

ジュエリーの制作時も、地金が硬くなって作業しにくくなることがあります。
そういう時には地金を加熱し、再結晶させることですべり面を減少させてまた柔らかくします。
これを「焼きなまし」といいます。

しかし、なまったままでジュエリーを仕上げてしまうと、塑性変形をおこしやすくなります。
つまり傷がついたり変形したりしやすくなるのですね。
そこで加工時にはある程度加工硬化した状態で仕上がるよう
焼きなましのタイミングを考えます。
また、地金表面を固い金属棒で擦ることにより、表面の硬度を上げたりします。


そうはいっても、限界を超えた力が加わると変形はしてしまうものです。
特にプラチナ合金は金合金ほどには「弾性」がないので長年指にはめていたリングが
指の形になじんでしまったりすることもあります。

一時的に大きな力が加わって変形すると、
変形量が少なければ元の形に戻すこともできますが、
あまりに大きな変形量で、留めていた宝石が外れてしまったりするとそれも難しくなります。

そういう場合には宝石を取り外して地金部分を再制作することで
ジュエリーを蘇らせることもできます。
このリングも大きく変形してしまったものからダイヤモンドを取り外して作り直したものです。
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ある程度「加工硬化」はさせてありますし、リング部分の厚さも取っておきましたので
今度は簡単には変形しないと思うのですが。


デザインと強度のバランスは難しいところです。
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  by studio_argento | 2012-02-17 18:33 | ジュエリー | Comments(4)

ハートシェイプ

宝石というのは基本的に天然の鉱物ですから、産出されたときの形は様々です。
それぞれ特徴的な結晶構造を見せることが多いのですが、
そのままの形ではその大きさも含めジュエリーとしては使いにくいものです。
そこでその原石を研磨して形を整えて使うことになります。
この工程をカッティングといいます。

カッティングはかなり昔から宝石に施されてきたものですが、その技術は日々進歩しています。
ダイヤモンドに関して言えば、ローズカットと呼ばれる古いものから、現在でもよくつかわれているラウンドブリリアントカットへと進化。 今ではその精度も非常に高くなり、宝石鑑定書には
カットのクオリティを示す別項目も作られたりしています。
(ハート&キューピットなどと呼ばれています)

また、形状も正面(上)から見て円形のラウンドカットのほかに楕円形のオーバルカット、
四角形のスクエアカット、長方形のバゲットカット、船型のマーキーズカット、
涙型のティアドロップカットなどスタンダードなものでもかなりの種類があります。

それ以外にも自由な発想でカッティングをする人たちもいてドイツの
イーダオーバーシュタインなどにはそうしたアーティスティックな作家さんもいるようです。

さて、今回ご紹介するのは、これもスタンダードなカッティングのひとつ、
ハートシェイプの石を使ったリフォームです。

ご結婚が近いという新郎から、そのお母様から託された
ルビー(と思われる宝石)のリングのリフォームを承りました。

デザインは出来るだけシンプルに。 ちょっとクラシカルな雰囲気でとご希望でしたので
古いリングから宝石をすべて取り外して
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このような形で仕上げました。
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リング部分の断面形を四角形に作り、古いリングから取り外したメレダイヤを再利用して
両脇に並べて留めました。

甘いモチーフとして定番のハート型ではありますが、やはりリング部のデザインによっては
若い女性には向かないものもあります。
リフォームすることでまた新たな価値が生まれますね。

新婦となる女性には内緒で制作したこのリング、
彼の想いも込められた素敵なプレゼントになりました。
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  by studio_argento | 2012-01-27 13:45 | ジュエリー | Comments(0)

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