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解き放つ

先日、岡山国際サーキットでアルファロメオチャレンジというアマチュアレースの
2011年シーズンの関西&九州エリア最終戦に参加してきました。

レースは2ヒート制で、1レース目の上位数台のグリッド位置を2レース目では入れ替える
リバースグリッド制(WTCCなどでおなじみですね)で行われました。

予選こそポールを取れましたが、レースは終始75との競り合いでどちらも2位。
クラス違いでしたからクラス優勝ではあるのですが、レースとしては完敗でした。






それにしても35番車がレストアなってからはや11年。
年によって多い少ないはありますがずっとサーキットを走ることを続けてきました。
レースの帰りの車の中でふと「なぜ続けているんだろう」と思ったときに頭に浮かんできたのが
「解き放つ」という言葉。

コツコツと準備してきたクルマの性能をできうる限り発揮する。
公道では決して出来ない、その車の限界に近い力をサーキットに「解き放つ」。

スピードやクルマの挙動、路面とタイヤの状態、競り合っている車の動き、
レース全体の組み立てなどを自分の持つ五感を総動員して感じ、
またステアリング、ABCペダルなどの操作や
それから起こる挙動を予測したりフィードバックしての修正など
自分の持てる運転の能力すべてをその時間に「解き放つ」。

あのサーキット走行の短い時間というのは私にとってとても美しい時間なのだと。
(絶対的な速さや技術の巧拙は関係ない)

もちろん仕事をしていても、バイクに乗っていても美しい時間を過ごすことはできます。
でもサーキットを走るときほど「濃く」はない。
走り終わった後の疲れは、相棒のクルマと共に持てる力を「解き放った」との充実感、
あるいは「解き放ち切れなかった」との自己嫌悪と相まって他に無い感覚です。

クルマで走ることはもしかしたら子供のころ徒競争でいつもビリだった私の
カタルシスになっているのかもしれません。

この「解き放つ」美しい時間を得られる限り
私にとって「参加する」レースの魅力は消えないでしょう。

勝っても負けても。

                             動画アップしました。

  by studio_argento | 2011-10-19 14:45 | ヒストリックカー

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