疾走する日本車展

先日、実家に顔を見せるついでにちょっと足を伸ばして、益田市のグラントワに行ってきました。
ここの県立石見美術館で開催中なのが「疾走する日本車(アート)」展
1960年代を中心にした国産車の軌跡を紹介する展示会です。
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当時の国内自動車メーカーのうち7社から14台が展示されました。
トヨタからは
 トヨタ2000GTボンドカー(1966年)
 トヨペットコロナデラックス RT-40-D (1967年)
 トヨペットクラウンS MS-41-S (1965年)
 トヨタスポーツ800 UP-5 (1965年)
日産からは
 シルビア CSP311  (1966年) 
 フェアレディZ432 PS30 (1969年)
 スカイラインハードトップ2000GTR KPGC-10 (1970年)
 ブルーバード1400 4ドアデラックス N501 (1972年))
マツダは
 コスモスポーツ プロトタイプ  (1967年)
三菱は
 ギャランGTO-MR A53C-GR (1972年)
ホンダは
 S500 AS280 (1963年)
いすゞは
 ベレット RP20  (1666年用試作車)
そして日野からは
 コンテッサ1300クーペ   PD300  (1965年)
 コンテッサ900スプリント  (1962年)
という顔ぶれ。

この中で最も見たかったのがコンテッサ900スプリント。
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ほかの車種はほとんど見たことがあったのですが、これだけは現存する1台が
日野のミュージアムにあるということでなかなか見る機会に恵まれず、今回初めて見ることができました。
62年のトリノショーでデビューしたというそのデザインは当時の欧州車の中にあってはさほど革新的なデザインではなかったようですが、東洋の無名メーカーのコンポーネンツを使ったその商品としてのポテンシャルに欧州メーカーが恐れをなし、製作したミケロッティからの発売の話が無くなってしまった(日野側の事情もあったようですが)との話も残っているようです。
小さく、低く、でも伸びと張りのある素晴らしいデザインです。
もしこれが生産されて日本を走っていたとしたらなどと考えるのも楽しいですね。
内外装に見慣れたイタリアンメイドのパーツが散見されて親近感がわきます。
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特にメーター類はジュリエッタのそれを文字盤だけ書き直したのでは?と思うほどそっくり。
そういえば1300クーペのほうもインパネのデザインは完全にイタリア車のそれ。
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ミケロッティのデザインですから当然でしょうが、左右で同じデザインを反復するのはFIAT850などにも見れますね。
ステアリングもNARDI(オリジナル?)ですから余計にそうなのかもしれません。

他に気になったのがベレット。
ベレットというと「ベレG」の略称のようにどうしてもクーペのほうを思い出してしまいますが、今回展示されたのは4ドア(しかもオートマチック!)。
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あまり見る機会がない車ですが(松江市内に1台生息か?)あらためてじっくりと見るととてもよい形をしていて、特にリアドアからリアフェンダーに向けての面の張りがずばらしいものでした。
インパネもコンテッサ1300のように左右対称のイメージに、アルファロメオのジュリア1750シリーズを想わせる独立したメーターナセルがいい雰囲気でした。
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タマゴ色という塗色もよかったのでしょうが、「乗ってみたい」とおもう1台でした。

家内が気に入っていたのがシルビア。
京都の某ショップの「バカっ速い」シルビアは有名でカッコイイのですが、今回のようにオリジナルの状態のものもよかったですね。
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内装が明るいクリーム色をいうこともあって豪華なプライベートクーペという感じでした。
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お洒落な女性がさりげなく乗っていたら素敵でしょうね。

(写真はすべて図録を撮ったのものです。 無断転載を禁止するとの記載がなかったので。 
問題があるようでしたら削除しますのでご指摘ください)

期待していたミュージアムショップは今一つでしたが、見ごたえのある展示会だったと思います。
ただ、図録には各車のデザイン開発のストーリーが書かれていたのですが、会場にはそれらしきものがなくただ車を見るだけになっていたのが少し残念でした。
「美術館なのだし絵画展であれば作品解説はしないだろう。」といわれるかもしれませんが、クルマ好きとしてはもう少しその時代やそれまでの歴史など、流れの中でのそのデザインの位置づけや意味を感じられるようになっていたらよかったように思います。
(そのあたりは学芸員さんによるブログや週末の解説などで補っておられるのでしょうか。)

それにしても、いままであまり国産車には興味がなかったのですが60年代の日本車(車に限らないと思いますが)、素晴らしい成長ぶりですね。

会期は2月14日までとのこと。 これだけの車が一堂に会しての「美術館での」展示はそう見られるものではないと思います(企画された学芸員さんに感謝)、ぜひ足を運んでみてください。


・・・で、見るほうは満足したところで次はおなかを満足させに行きました。
益田市郊外にあるレストラン
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南欧にでも来たかのような建物が海を見下ろす高台に建っています。
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玄関から見通すその先には真っ青な日本海が。
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もちろん店内からも一望です。
この日は天気がよかったのでいわゆる「冬の日本海」とは違う、気持ちのいい青が広がっていました。
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振り返ると店内には薪ストーブが部屋を暖めてくれています。
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もちろん食事もおいしくいただきました。
グラントワに行かれる方にはお勧めですよ。
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  by studio_argento | 2010-01-24 16:41 | ヒストリックカー | Comments(10)

Commented by hey at 2010-01-24 18:39 x
とても日本車とは思えない日本車と、とても日本とは思えない風景のお店。
どちらもホントに素敵ですね。
シルビアは僕も大変好きなクルマです。
それとコンテッサ900スプリントは一度実物をぜひ見てみたいです。
顔つきは少しジュリエッタSSにも似てますね。
1300のインパネ周りは一瞬ジュリアクーペ?と思わせるほど似てますよね。
Commented by studio_argento at 2010-01-24 22:14
heyさん
欧米に追いつけと彼の国に範を求めるもの、ジャパンオリジナルを追及するもの、スタンスはそれぞれ違えどどのメーカーの車にもデザイナーや技術者の「想い」というものを強く感じました。
時代というものもあったのでしょうが現在は素直にその情熱を表現できる土壌はもう無いかもしれませんね。

レストランもなかなか良かったです。 県内にいても180㌔も離れているとなかなか行けない場所なので、今回行けてよかったです。
Commented by lancista at 2010-01-24 22:23
先に行かれてしまいましたね(笑)
詳しい解説に レストランの下見まで ありがとうございました。
べレット 良いでしょう(笑)
私は ベレGから1600スポーツセダンに乗り換えた時に
カタログにあった この玉子色に塗り替えました。懐かしいですね。
ぜひ 見に行きたいという気持ちが強まりました。
Commented by studio_argento at 2010-01-25 08:06
lancistaさん
ベレットセダン、乗っていたんですか!
しかもタマゴ色、さすがわかってますね 笑)
距離はありますが、巡回先の福井ほどは遠くないですからぜひ行ってみてください。
コンテッサ、まさに貴婦人ですよ。
Commented by haruto at 2010-01-25 12:50 x
ああ、空気がゆったり流れているようでとても素敵なお店ですね..

また行きたいとこ増えちゃいました (-_-)゜゜
Commented by studio_argento at 2010-01-26 12:23
harutoさん
冬の山陰にしては珍しい青空で気持ちよかったですね。
松江から約3時間かかりますけれど・・
Commented by F105L at 2010-01-26 23:27 x
数ある展示の中から、コンテッサ・ベレット・シルビアを選ばれたのが嬉しいです。僕と全く趣味が同じです。
もちろん、スカイラインやコスモもいいんですが、カロッツェリアもののデザインという点で、上記3車はいいんですね。実はブルーバードもピニンファリーナだったりするんですけどね!僕のブログの初号にそのあたりが・・・
Commented by studio_argento at 2010-01-27 18:05
F105Lさん
今回の3車は「カタチ」だけの好みで取り上げたものです。
美術館での展示でしたからそのほうがふさわしいと思って。
同年代ということも好みが近い一因かもしれませんね。
ただ、私には子供のころのクルマ原体験がありません。
F105さんのブログ初期、拝見しました。
筋金入りですね。 私なんか大人になってからの付け焼刃ですので・・お恥ずかしい限りです 汗)
Commented by FPシゲっち at 2010-01-29 22:50 x
昔カーマガジンで、このコンテッサスプリントの為だけに買った号があったなぁ・・・。
当時の欧州の人に「ヒノ」ってカタカナで書いてあるエンブレムは、どう映ったんでしょね?(笑)
こんな日本海が普通に見れる季節が早く来ればいいね~♪
Commented by studio_argento at 2010-01-30 13:53
FPシゲっちさん
現車を見たことがないのでしたら是非。
「ヒノ」のエンブレムはカッコよかったですよ。
ジャポニズムデザインは好まれていたはずですから向こうの人にもウケたんじゃないでしょうか?

この冬は結構晴天が多くて嬉しいです。
塩さえ撒かれていなければ…

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